変性疾患の臨床研究について
神経変性疾患病理解剖時における脳病理組織の異常蛋白凝集と神経細胞死の
疾患共通メカニズムについての研究
患者様医療情報の研究利用について
2022年4月1日
現在、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症等の神経変性疾患についてタウ蛋白、シヌクレイン蛋白、アミロイド蛋白などの特殊な蛋白が蓄積することが病因のひとつと指摘されておりますが、未だ正確な機序は不明で治療法への開発には至っておりません。それぞれの患者さんで、どのような特殊蛋白が脳神経細胞で多いか、どのような蛋白がそれぞれ関わっているかなど不明であり、それらを解明することでワクチン等の新たな治療法の開発が期待されます。この度、北里大学医学部脳神経内科学では、すでに患者さんからの剖検をお願いした方の組織の一部を上記目的のために解析させて頂きます。
調査対象となるのは、1999年4月1日から2020年12月31日までに北里大学及び北里大学東病院で剖検を提供して頂いた被験者または被体提供者の方を対照とします。
本研究で調査する項目は、剖検脳における特殊蛋白の発現の解析です。これらの情報を分析・保存する上で、すべての患者の皆様は匿名化(名前が分からない状態にすること)され、氏名や住所などの個人情報は一切公表されることはございません。
収集したデータは、北里大学医学部脳神経内科学の研究室で分析され、研究実施期間中は施錠のできる戸棚に保管されます。今回の研究で得られた結果は、個人が特定されないかたちで、学会や雑誌などで報告されることがあります。
本研究の調査対象に該当する患者の皆様で、調査の参加に同意されない方は、下記の連絡先までお申し出ください。また、本研究に関して、質問などがございましたら、下記の連絡先までご連絡下さい。
連絡先
〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
北里大学医学部 脳神経内科学
研究代表者:西山和利
研究担当者:阿久津二夫、飯塚高浩、永井真貴子
自己免疫性脳炎の臨床研究について
自己免疫性神経疾患における自己抗体測定と病態の解明に関する前方視的研究(承認番号:B20-280)
患者さまの医療情報と生体試料(血清および髄液)の研究利用について
2023年5月15日
自己免疫性神経疾患、特に、自己免疫性脳炎およびその類縁疾患では、2007年以降、病気の直接的原因と考えられる神経細胞表面(NS)抗原に対する自己抗体(抗NS抗体)が次々と発見されてきました。抗NMDA受容体抗体は最初に発見された抗NS抗体です。現在では、多数の抗NS抗体が報告されています。これらの抗NS抗体は病原性のある抗体であり、抗体を除去することによって神経症状が改善することが示されています。しかし、本邦では、これらの自己抗体を測定できる施設は少なく、一部の抗体しか測定されていないため、診断目的で、血清や髄液を別の自己免疫性疾患専門の中核研究機関(例えば、スペインのDalmau研究室)に送り、抗体を測定しているのが現状です。それには費用と時間がかかります。また、未知の抗原に対する自己抗体が関与していると推測される自己免疫性神経疾患も少なくないと推測されます。これらの自己免疫性脳炎およびその類縁疾患を発症された患者さまでは、診断を確定、あるいは除外するために、自己抗体測定が必要です。本邦における自己免疫性脳炎およびその類縁疾患の診断率を向上させ、早期診断・早期治療を実現するために、本研究を開始しました。
対象となるのは、1999年1月1日〜2028年1月31日の間に自己免疫性脳炎およびその類縁疾患の疑いで、北里大学病院脳神経内科に入院あるいは紹介され、診断および治療上の必要性から文書で同意取得後に抗NS抗体を測定された患者さまです。1999年1月1日〜2028年3月31日までの情報を調査対象とし、研究実施期間は、2021年1月29日~2028年3月31日です。
調査項目は、発症時の年齢、性、臨床症候、臨床診断、頭部CT・MR画像、脳血流SPECT、脳波、血清および髄液所見、治療内容、神経学的所見、人工呼吸器装着の有無と装着期間、合併症の有無、臨床経過、入院時、退院時および最終受診時の機能予後です。これらの情報を分析・保存する上で、全ての患者さまは匿名化され、氏名や住所などの患者さまを直接特定できる個人情報は削除します。診断および治療上の必要性から採取した生体試料は当大学脳神経内科研究室内の冷凍庫に保管し、抗NS抗体測定の目的で使用し、抗NS抗体の検出率および標的抗原と臨床病型との関係を明らかにします。なお、診断確定の目的で、個人情報を除いた情報とともに生体試料の一部をバルセロナ大学のDalmau教授に提供します。その際、試料は輸送業者を介して、情報は電子的配信で提供されます。
診断および治療上の必要性から採取した試料は当大学脳神経内科研究室内の冷凍庫に保管し、抗NS抗体測定の目的で使用し、抗NS抗体の検出率および標的抗原と臨床病型との関係を明らかにします。
これらのデータは、外部からアクセスできない北里大学病院内のコンピューター内に電子媒体として保存され、厳重に管理されます。臨床研究終了後も、二次利用する可能性があるため、これらのデータは保存されます。しかし、二次利用の可能性がなくなった時点で消去されます。研究成果は学会や雑誌などで報告されることがありますが、氏名や住所などの個人情報は一切公表されることはございません。保管したデータを再利用する際には、その内容を含む計画書を別途作成し、倫理審査を経た上で実施します。なお、本研究に関連し開示すべき利益相反関係にある企業等はありません。また、研究者等の利益相反状況については、北里大学利益相反委員会に申請をし、承認を得ています。
本研究の調査対象に該当する患者さまで診療情報および試料の研究への使用を同意されない方は、2028年3月31日までにお申し出ください。なお、同意されない場合でも不利益が生じることはありません。また、本研究に関してご質問などがございましたら、下記の連絡先までご連絡ください。
連絡先
〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
北里大学医学部 脳神経内科学
研究責任者:飯塚高浩
脳卒中の臨床研究について
脳卒中患者における臨床病型毎の機能的予後に関する単施設・後方視的および前方視的観察研究
(承認番号:B23-124)
患者様医療情報の研究利用について
2024年1月11日
生活習慣病の治療や、急性期脳卒中に対しての治療の進歩により、脳卒中全体の死亡率は低下傾向となっていますが、2022年度の日本人の死因第4位と依然上位に位置しています。欧米では虚血性脳卒中(脳梗塞)の機能予後に関する大規模研究結果は報告されていますが、本邦では十分に検討されていません。
本研究では、本邦における脳卒中について検討し、今後の脳卒中診療の発展につなげます。研究対象となるのは、2019年4月1日から2028年11月30日まで当院に脳卒中で入院された患者さんです。
電子カルテに記載のある診療記録、血液検査や画像検査などの検査データを利用し、統計解析を行います。脳梗塞、脳出血の病型ごとに、患者さんの年齢や性別、基礎疾患などに特徴がないかなどを確認します。また、脳卒中ガイドラインに則り治療が行われますが、機能予後についても確認し、予後に関係のある因子がないかなども確認します。収集した情報は、すべての患者さんを匿名化(名前が分からない状態にすること)した上で、外部からアクセスできない北里大学病院内のコンピューター内に電子媒体として保存され、厳重に管理されます。研究成果は学会や雑誌などで報告されることがありますが、氏名や住所などの個人情報は一切公表されることはございません。本研究に参加することによって有害事象や不利益が生じることはございません。
本研究の遂行のための費用は、脳神経内科学医局研究費を使用します。研究に関する利益相反は、北里大学利益相反委員会で審査を受け、適切に管理されます。
本研究の調査対象に該当する患者さんで、調査の参加に同意されない方は、下記の連絡先までお申し出ください。また、本研究に関して、質問などがございましたら、下記の連絡先までご連絡下さい。なお、同意されない場合でも不利益が生じることはございません。
連絡先
〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
北里大学医学部 脳神経内科学
研究責任者:臼井 耕太郎